ロードバイク

楕円ギアで効率が向上する理由

みなさんこんにちは
keiです

ついに楕円ギア(楕円リング)を導入しました.でもなんで楕円ギアって効率が良いの?という問いを色々調べたのですが,自分なりにしっくりくる答がなかったので,突き詰めてみましょう.

【Doval】5000円で始める楕円ギア,非円形ギアのすすめ【ロードバイク】 ある日,フォロワーさんがこんなことをつぶやいていました. これってどうなんですか? pic.twitter.com/qbE...

ちなみに私は楕円ギアって言っていますが,何が正解なんでしょうか.ギア,チェーンリングもしくは単にリングって言ったりするし,そもそも完全に楕円なものって少ないですよね.円形ではないって言う意味で「非円形チェーンリング」といってしまえば問題ないんですが,これって広く使われている言い方ではない気もします.取りあえず今回は楕円ギアにしましたが,ゆくゆくは非円形チェーンリングと呼んでいきます.

先に結論を言っておくと,こうなりました.

要点

楕円ギアだと,3時付近で歯数が多くなるために,3時付近を通過するときのクランクの速度が落ちる.そうすると,3時付近をペダルが通過する時間が長くなる.このときに,クランク1回転の間にしなければならない仕事(J)が同じであるなら,円形よりも弱いパワー(ワット)で回すことができる.
当然のことながらパワー(ワット)が大きければ筋肉に疲労(筋繊維の破断や乳酸)が蓄積される.そのため,円形ギアより弱いパワー(ワット)で回すことができる楕円ギアは,疲労が蓄積されにくい.

そもそも,バイク自体の効率は何も変化しない

まず,どんなシチュエーションでも,楕円ギアと円形ギアで必要なパワー(ワット)は変わらない.わかりやすく平地巡航をイメージしてもらうといいが,平地巡航をする空気抵抗と機材の機械的な抵抗に打ち勝たなければならない.そのため,楕円ギアだろうと円形ギアだろうと同じだけのパワーが必要である.

では楕円ギアによってなぜ効率が良くなるかというと,それは,同じパワー(ワット)を出してたとしても,楕円ギアなら円形ギアより人の体に疲れがたまりにくいからである.というか,それしかない.楕円ギアと円形ギアで機械的な抵抗は一切変わらないのだ.同じパワーを出しつつも体がラクをできると考えるしかない.

条件の整理

こんな状況を考えて具体的なケーススタディをしながら,なぜ体がラクをできるのか?を考えていきたい.体がラクをすると言うのだから,ペダル上でどのようにパワー(ワット)を出しているのかを見ていこう.イメージしやすいように具体的な条件を設定する.条件としては,200Wのパワーで36km/hで巡航しているシチュエーションを考える.

クランク周りの分析

さっきも言ったとおり,ロードバイクの駆動系の効率は楕円ギアだろうと円形ギアだろうと変化がない.だからチェーンやスプロケットにいくら着目しても答は出てこない.人間と機械の接点であるペダルに着目すべきだ.

と言うことで,ペダル上で人間がどのように踏み込むかを考える.まずは円形ギアで分析を始めて,楕円ギアには途中から登場してもらう.ペダル上ではまあ実際にはいろいろな方向に力が働いているが,クランク上の全周でペダルを踏むわけではない.ざっくり言うと0〜6時くらいでペダルを踏み込む.ここでは問題をシンプルにするために,ペダル上を4つの区間に分けて,1:30〜4:30の間だけペダルを踏み込む場合を考える

さらに左右のペダルを別々に考えるとこれもまた面倒なので,ここでは,左右を合わせて考える.右足は1:30~4:30の間に踏み込み,左足は7:30~10:30の間にペダルを踏み込むとする.

ここで最初の条件に登場してもらう.36km/h巡航を維持するためには,平均で200Wの出力を出さなければならない.とすると,ペダルを踏み込めるの全体のうちの半分なので,実は瞬間的には倍の400Wは出力している.

400W→0W→400W→0W→・・・
を繰り返して,平均200Wのパワーを出力している.

さっきの図に,クランクのスピードや,それぞれの角度の間のギアの端数を書き込んでみよう.ギアは52Tを想定しているので,4つに分けたそれぞれの区間では13Tになる.クランクは76.7rpmなので,0.782秒で1周することになる.と言うことはそれぞれの区間を通過するのは,0.195秒になる.

円形ギアと楕円ギアの比較

ここで円形ギアと楕円ギアを比較してみよう.どちらも同じ52Tとして,楕円ギアは踏み込む所が14T,踏まないところが12Tとした.ロードバイクは後輪が地面に接しているため,後輪→リアギア→チェーン→フロントギアと機械的に接続されているため,フロントギアの歯の進み方は一定スピードだ.歯の進み方が一定速なのに歯は楕円形に配置されているために,クランクの進み方は一定スピードでは無くなる.踏み込む所を通過するのにかかる時間は円形ギア0.195秒に対して,楕円ギアは0.211秒になる.楕円ギアの方が踏める時間が長くなるのだ

ではこの図に,平均400Wを出すために,踏み込む所でどれくらいパワー(ワット)を出せば良いのかを書き込んでみる.楕円ギアは円形ギアと比べて,長い時間踏み込む必要があるがパワーは小さくて良い!これが楕円ギアの効果である.

グラフに表すとこうなる.楕円ギアにすることで,トータルとして同じパワーである200Wを出力しながらも,踏んでいる間のパワーを400→371Wに減らすことができる
つまり楕円ギアにすることで,人間のパワーが平準化されることになる.これが楕円ギアのメリットである

当然のことながらパワー(ワット)が大きければ筋肉に疲労(筋繊維の破断や乳酸)が蓄積される.そのため,円形ギアより弱いパワー(ワット)で回すことができる楕円ギアは,疲労が蓄積されにくい.これが,楕円ギアは効率が良いと言われることの正体である


以上です.ああ良かった,すっきり解決しました.( ‘-‘)これで心置きなく楕円ギアを使えます.本当にこの楕円ギアは効率が良くなるのか?と疑念を持ちながら使うのはなんだか疲れますよね